| 解説 |
OSPFでは,ルーターはトポロジ・マップと呼ばれるネットワークの地図を作って,そこからルーティング・テーブルを作ります。
そのトポロジ・マップの基になるのがLSAです。
OSPFルーターが,どうやってLSAからトポロジ・マップを作るのかを見てみましょう。
ここでは,コンフィグ例1のルーターLSAを基に,トポロジ・マップを再現してみます。
●ルーターLSAから個々のルーターのインタフェースを知る
OSPFでトポロジ・マップを作るときに必要となるLSAは,ルーターLSAとネットワークLSAの二つです。
そこでまずは,ルーターLSAに注目します。
ルーターLSAは,個々のルーターが作るLSAで,「どんなインタフェースがどんな形でつながっているか」という情報が入っています。
ルーターLSAの詳細は,show ip ospf database routerで見ることができます。
表示する内容が多いので,ところどころを切りながら解説します。

上の囲われていない部分が,LSAのヘッダー情報です。
ここには,LSAの種類(ルーターLSAなのかネットワークLSAなのか)や,ルーターID(OSPFルーターの識別子)などが記されています。
そして,下の囲ってある部分が,ルーターLSAの中身です。
「Link connected to:」がインタフェースの接続形態を表しています。
「a Transit Network」というのは,「ほかにもルーターが存在するネットワークにつながっている」という意味です。
また,インターフェースのIPアドレスが,192.168.1.1というのもわかります。
これらの情報を総合すると,ルーターID1.1.1.1のルーターは,右の図のようになっていることがわかります。

続いて,ルーターIDが2.2.2.2のルーターです。
上の囲まれている部分は,「Link connected
to:」の部分が「another Router (point-to-point)」となっています。
これは,ポイント・ツー・ポイント接続であることを示しています。
次の「a Stub Network」というのは,本来は「自分以外にルーターがつながっていないネットワーク」であることを示すものです。
ただしポイント・ツー・ポイント接続の場合には,サブネット・マスクの情報を示すためにスタブのLSAが付加されます。
ここではサブネット・マスクが,255.255.255.0であることがわかります。
残りの部分は,「Link connected to:」の部分が「a
Transit Network」になっています。
先ほどと同様に,インタフェースがイーサネットなどにつながっていると考えることができます。

今度は,ルーターIDが3.3.3.3のルーターです。
「a Stub Network」となっており,これは,自分以外にルーターがつながっていないネットワークのことです。
ここには,IPアドレス(192.168.3.1)とサブネット・マスク(255.255.255.255)が表示されています。
つまりこれは,192.168.3.1/32というループバック・アドレスであることがわかります。
下の二つで,ポイント・ツー・ポイントのネットワークがつながっていることがわかります。
インタフェースのIPアドレスは192.168.2.2で,サブネット・マスクは255.255.255.0です。
●ネットワークLSAで個々のルーターをつなぎ合わせる
トポロジ・マップを完成させるためには,三つのルーターをつなぎ合わる必要があります。
ポイント・ツー・ポイントとスタブのネットワークは,すでにルーターLSAによって,接続先ルーターやサブネット・マスクがわかっています。
そのため,ルーター同士をつなぎ合わせる必要があるのは,残りのトランジットのネットワークです。
トランジット・ネットワークのネットワークLSAを作るのは,代表ルーターです。
(先に見たルーターLSAを見ると,代表ルーターが192.168.1.2と書いてあります。)
ルーターLSAを見てみましょう。show ip ospf database networkで表示できます。

ネットワークLSAには,このネットワーク上につながっているルーターのルーターIDと,サブネット・マスクが記載されています。
ここでは,2.2.2.2と1.1.1.1のルーターが,/24(255.255.255.0)のサブネット・マスクでつながっていることがわかります。
これで三つのルーターがつながり,トポロジ・マップが完成しました。
ルーターは,このトポロジ・マップを基に,(実際はコストも加味して)ルーティング・テーブルを作るわけです。
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