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シスコ・ルーターの場合,NATを実行するためにはけっこういろいろなコマンドを打ち込む必要があります。
その中でも一番シンプルなのが静的アドレス変換です。
「このアドレスはこのアドレスに変換しろ」というように,変換前と変換後のアドレスを指定してやります。
今回,NATを実行するのはRouterAです。
RouterBは,パケットをキャプチャするための確認用に使います。
上のコマンドは,10.1.1.1を192.168.1.1に変換する,静的アドレス変換です。
アドレスがそのように変換されているか確かめてみましょう。
HostAからHostBにパケットを送ったときに,RouterBを通過するパケットを見てみます。
そのために,RouterBでIPパケットのデバックをオンにします。
RouterB#debug ip packet
IP packet debugging is on
オンになりました。
では,HostA(10.1.1.1)からHostB(192.168.2.1)にpingを打ってみます。
01:16:23: IP: s=192.168.1.1 (Serial0), d=192.168.2.1 (Ethernet0), g=192.168.2.1,len
60, forward
01:16:23: IP: s=192.168.2.1 (Ethernet0),
d=192.168.1.1 (Serial0), g=192.168.1.1,len 60, forward
1行目がping要求パケットで,2行目がping応答パケットです。
RouterBは,アドレスが変換された192.168.1.1からパケットを受け取っていることがわかります。
NATの動作を検証するためのdebugコマンドもあります。
RouterAで実行してみましょう。
RouterA#debug ip nat
IP NAT debugging is on
NATのデバッグがオンになりました。
ふたたび,HostAからHostBにpingを打ってみます。
00:49:45: NAT*: s=10.1.1.1->192.168.1.1, d=192.168.2.1 [6150]
00:49:45: NAT*: s=192.168.2.1, d=192.168.1.1->10.1.1.1 [462]
00:49:46: NAT*: s=10.1.1.1->192.168.1.1, d=192.168.2.1 [6151]
00:49:46: NAT*: s=192.168.2.1, d=192.168.1.1->10.1.1.1 [463]
00:49:47: NAT*: s=10.1.1.1->192.168.1.1, d=192.168.2.1 [6152]
00:49:47: NAT*: s=192.168.2.1, d=192.168.1.1->10.1.1.1 [464]
00:49:48: NAT*: s=10.1.1.1->192.168.1.1, d=192.168.2.1 [6153]
00:49:48: NAT*: s=192.168.2.1, d=192.168.1.1->10.1.1.1 [465]
パケットの送信と受信を4回ずつしていますね。
4回すべてで送信元アドレス(s=x.x.x.xの部分)を,10.1.1.1から192.168.1.1に変換して送信していることがわかります(赤字の部分)。
返信のときは,送信元アドレスを192.168.1.1から10.1.1.1に戻しています(青時の部分)。
RouterAのNATテーブルを見てみましょう。
ルーターはこの対応表を基にアドレス変換をします。
RouterA#show ip nat translations
Pro Inside global Inside local Outside local
Outside global
--- 192.168.1.1 10.1.1.1 --- ---
10.1.1.1が192.168.1.1に対応付けられているのがわかります。
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