| 確認 |
アドレス変換の機能を使うと,サーバー・アクセスの負荷分散ができます。
中身が同じ内容のサーバーが複数台あったとき,それらに均等にアクセスさせたいときに使います。
ルーターをロードバランサー(負荷分散装置)にできるってわけですね。
今回は,10.1.1.1と10.1.1.2という2台のWebサーバーが立っています。
アクセス先に使うアドレスは,10.1.1.10にします。
つまり,10.1.1.10にアクセスがあったら,それを10.1.1.1と10.1.1.2に交互に振り分けるようにします。
それでは動作を確認してみましょう。
動作を検証するために,RouterAでNATのデバッグ機能をオンにします。
RouterA#debug ip nat
次に,192.168.0.5のマシンから10.1.1.10にWebアクセスします。
すると,以下のような表示が出ます。
01:38:17: NAT: s=192.168.0.5, d=10.1.1.10->10.1.1.1 [18049]
01:38:17: NAT: s=10.1.1.1->10.1.1.10, d=192.168.0.5 [11088]
01:38:17: NAT*: s=192.168.0.5, d=10.1.1.10->10.1.1.1
[18050]
01:38:17: NAT*: s=192.168.0.5, d=10.1.1.10->10.1.1.1
[18051]
01:38:17: NAT*: s=10.1.1.1->10.1.1.10,
d=192.168.0.5 [11089]
01:38:17: NAT*: s=192.168.0.5, d=10.1.1.10->10.1.1.1
[18052]
01:38:17: NAT*: s=10.1.1.1->10.1.1.10,
d=192.168.0.5 [11090]
01:38:17: NAT*: s=192.168.0.5, d=10.1.1.10->10.1.1.1
[18058]
01:38:17: NAT*: s=10.1.1.1->10.1.1.10,
d=192.168.0.5 [11091]
01:38:17: NAT*: s=10.1.1.1->10.1.1.10,
d=192.168.0.5 [11092]
RouterAであて先が,10.1.1.10から10.1.1.1に変換されているのがわかります(赤字の部分)。
再び,192.168.0.5のマシンから10.1.1.10にWebアクセスしてみます。
01:38:51: NAT: s=192.168.0.5, d=10.1.1.10->10.1.1.2 [18086]
01:38:51: NAT: s=10.1.1.2->10.1.1.10, d=192.168.0.5 [4422]
01:38:51: NAT*: s=192.168.0.5, d=10.1.1.10->10.1.1.2
[18087]
01:38:51: NAT*: s=192.168.0.5, d=10.1.1.10->10.1.1.2
[18088]
01:38:51: NAT*: s=10.1.1.2->10.1.1.10,
d=192.168.0.5 [4423]
01:38:51: NAT*: s=10.1.1.2->10.1.1.10,
d=192.168.0.5 [4424]
01:38:51: NAT*: s=10.1.1.2->10.1.1.10,
d=192.168.0.5 [4425]
01:38:51: NAT*: s=192.168.0.5, d=10.1.1.10->10.1.1.2
[18089]
01:38:51: NAT*: s=192.168.0.5, d=10.1.1.10->10.1.1.2
[18094]
01:38:51: NAT*: s=10.1.1.2->10.1.1.10,
d=192.168.0.5 [4426]
今度はあて先が,10.1.1.10から10.1.1.2に変換されました(赤字の部分)。
負荷分散されているのがわかります。
ちなみに,最初の2行が「NAT:」で,残りは「NAT:*」と表示されています。
*(アスタリスク)記号がないものは,プロセス・スイッチング(1回1回ルーティング・テーブルを検索する)が実行されたことを示しています。
一方,*(アスタリスク)記号が付いているものは,ファスト・スイッチング(キャッシュを利用する)が実行されたことを示しています。
最後に,NATテーブルを見てみましょう。
RouterA#show ip nat translations
Pro Inside global Inside local Outside
local Outside global
tcp 10.1.1.10:80 10.1.1.2:80 192.168.0.5:4987 192.168.0.5:4987
tcp 10.1.1.10:80 10.1.1.1:80 192.168.0.5:4988 192.168.0.5:4988
10.1.1.1が,10.1.1.1と10.1.1.2の二つに対応付けられているのがわかります。
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